トイレのような狭い空間。側溝の奥底に似た印象。地面には固い土。
天井付近には天窓があり、その上に張ってあると思しい薄い水に透けて、こちらを覗き込む猫が数匹見える。あちらからはここが水中に見えるので、溺れていると思って心配しているらしい。
目の前には花壇のようなスペースがあり、草木が生い茂っている。天窓に向けて伸びる一本の花がある。氷のように冷え切った金属片で、その花をそっとなぞっていくと、霜が降りるようにそこから凍っていく。
その空間を後にして家の中。キッチンに近いリビングでくつろいでいると、子猫が降って来る。どうやら先程の空間から落ちて来てしまったらしい。
小さなその体を、掬うように手の平へ載せると、はっきりそうとわかるほどに熱い。熱を出しているらしい。携帯で子猫の看病の仕方について調べる。