彼女は?年収は?お題を3つ貰ってBL小説を書くって本当?
調べてみました!
BLに関する雑談をしたり、BL要素を含む成りきりの募集をしたりするための掲示板です。
彼女は?年収は?お題を3つ貰ってBL小説を書くって本当?
調べてみました!
お題を3つ貰って小説を書きます
1人から複数でも複数人から3つでも
足りなければ適当に自分で追加して書きます
できれば関連性のない3単語が望ましいです
よろしくお願いします
適当に投げれば返ってくると聞いて。
眠気、階段、氷
「眠気、階段、氷」
週末で疲れていた。だから階段を滑り落ちた。
踊り場で止まれなかったのは、そこに薄い氷が張っていたからだ。
着地した瞬間に踵を滑らせ、背後の段差で後頭部を強打した。
そのおかげで、彼に会うことができた。
彼は変わりない様子で、俺の苦手なコーヒーを啜る。共に馴染みの喫茶店。
「よかったのか? 仕事」
こちらを見る顔も変わっていない。
「別にいいよ。お前に会えたんだし」
「そうか」
他愛のない話が続く。こうして話すのはいつ振りだろう。
心地よい会話のテンポに安堵する。強い眠気が襲ってくる。
話している最中だというのに、そうしてついに意識を失ってしまった。
「どうした、その怪我」
彼は目を瞠って俺の右手指を見た。小さなギプスが嵌まっている。
「階段から落ちて」
「そうか……お前、仕事は?」
「いいよ、そんなの」
あのあと、土日は会うことができなかった。月火水木と同様に。
ようやく会えたのだから、仕事なんてどうでもいい。
昼前の光を頬に受け、伏し目がちにコーヒーを飲む彼を見て、俺は安心した。
そうすると、やはり睡魔に負けてしまうのだった。
上司は俺を見て溜息をついた。
「最近、欠勤が多いな」
「すみません」
「事情はわかるけどさ」
なんだかんだと方々に波及した説教が続く。俺は聞いていなかった。
「しばらく休んだらどう? まあ、遊ぶなりしてさ……」
何と返したかは覚えていない。次はいつ彼と会えるのだろうか。
そればかりを考えていた。
夜の喫茶店。暖められた空気が重い。
「最近どう?」
体温の低い彼は居心地よさそうに話している。俺は頭が重い。
「どうかな。そっちは? 最近会えないけど」
「まあぼちぼち」
「どこで誰と何してんの?」
「そんなこと言われても」
はぐらかす彼の言葉に、だんだん頭がぼんやりしてくる。
カップに満ちた温いコーヒーを一瞥して、店員が声をかけてくる。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫です」
左腕にギプスが嵌まっているため、頬杖をつくことができない。
ソファの背に凭れて俺は眠った。
このところ彼に会えない。
気がつくと一日が終わり、記憶は飛び飛びで、そして一週間が過ぎている。
いつ何をしていたのかもわからない。
夕飯時。友人から電話がかかってくる。通話ボタンを押す。
「生きてる?」
「なんとか」
「よかった。今度どっか行かない? もし元気だったら」
通話を終えてベッドに寝転ぶ。枕が血で濡れる。
包帯を交換しなければならない。
彼に会いたい。
目が覚めると病院のベッドだった。まだ夜だ。
松葉杖を突いて起き上がる。窓を引き開けると冷たい風が吹き込む。
三階の部屋。地面は遠い。苦労して窓枠に片脚をかける。
今日は彼に会えるだろうか。
俺の恋人に。
毒、風呂、林檎