XXXX年4月25日
To:夏油傑
From:五条悟
件名:なし
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元気にしてんのか?
…何てな、オマエはとうにケータイ捨ててる筈だから見る筈も無いか。
オマエが任務に行ったきり帰らなくなって随分と経った、
お陰様で無趣味な俺は暇してんだぞ?責任取れよ。
硝子と二人で映画って感じでもねェの、分かるだろ?
とことん無趣味だった俺に色々教えてくれたよな、オマエ。
お陰様で見事に今暇人の廃人になってんよ、全く。
…俺さ、高専で教師になってやろうって思ってんだわ。
そんでクソみたいな上層部をぶっ潰せるだけの後進を育ててさ、
いつかオマエでも笑ってられる様な世界にしてやるから、だから
そん時は戻って来いよな、傑。
それじゃ、
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(帳の降りた藍空の元、有象無象の呪霊を一通り瀕死にした状態で積んだ山の上に居座り上記のメールを送信。パタリとガラパゴス様の携帯を閉じれば何の気無しに空を見上げる。己の術式を持ってすれば呪霊を一々瀕死にせずとも滅せられるが、然しこうして一旦祓わずに置いてしまうのは今はもう隣に居ない彼への配慮が癖となって残った物で、其れを認識すれば自ずと苦虫を潰した様な表情を浮かべてしまった。ーーともすれば山から一飛、地面へと着地すれば術式を発動。全てを塵に還した後、ふと見上げれば雲からまろびでた丸い月を認め其れを写真に撮れば、追加する様に再び送信し帰路に付いた。)…月が綺麗だな、傑。