こんにちは。もしかしたらこんばんはやおはようございますかも知れませんね。
初めまして、此方の名前は無名です。名乗る様な名前を持ち合わせていないので、自分のことを無名と呼びます。自分のことを何も知らない、無知で憐れな籠の鳥です。突然で申し訳ないのですが、この文章を偶然なり運命なりによって目にした貴方にお願いがあるのです。もし宜しければ、私の話し相手になっていただきたいのです。無理にとは言いません。もしも貴方が親切をしてくださると言うなら、この狭い部屋で他に時間を潰す方法を持たない私に少しの間お付き合いしてはもらえないでしょうか?生憎此方は特に容姿が整っているわけでもない、何処にでもいるようなつまらない男なのですが、もし、もし許されるなら…。
この手紙を読んでいる貴方は、一体どんな姿でどんな名前をしているのでしょうか。此方にはそれを知る術がないのが残念です。貴方がこの手紙に返事を送ってくれたなら、いつかわかる日がくるのでしょうか。
ただ一人、私と手紙のやり取りをしてくれるだけで構わないのです。多くは望みません。どうか私の空虚を埋めてください。誰かから返事が来ることを願い、私はいつまでも待っています。この狭い部屋の中で。
名も知らぬ誰かへ