今日の明方は嫌に風が気味悪い。寒気がするなんて物じゃなくて、体温を感じる其れが肌を撫でる。無情にも紫煙は乗って香りを燻らせるだけで一口しか味わってない煙草は短く減るだけ、金の無駄遣いで終わった。
朝の空気は嫌いだ。女と寝たあの日、アンタと迎えた朝日、人も車も居ない公道を走った、あんな思い出が蘇るから。
セヴンスターの香りは、いつの日か抱き締められた人の温もりを彷彿とさせて。生温い風は正に其れに近しい。
噫、徒然成る儘に。なんて何処の誰が言ったかなんて覚えちゃいないけど、心躍る夜が消えて無くなるのは心悲しい、そんな朝。