迷ってる暇なんてないと思って、走り書きですまないが返事を残させてもらうよ。
君の前から何も言わずに立ち去ったことは紛れもない事実だ、許してくれなんて言わないし、むしろ許して欲しいとも思っていない。それは僕にとっての甘えだ。
何を言っても言い訳にしかならないから、君はまたあの手紙を送った時のように流してくれよ。その方が君にとっても、僕にとってもいいのかもしれない。
僕はどうしようもない臆病者だ。だから、君に別れを告げることも出来ずに逃げてしまった。待たせてしまうのが何よりも申し訳なくて、僕はその罪悪感に負けてしまったんだ。自暴自棄と言った方がいいのかな、何にせよ身勝手で君の気持ちも顧みない最悪な行動だったことは重々分かっている。本当にすまなかった。
ただ君とやり取りをし合った日は、本当にかけがえのないものだったよ。君から送られてくる文が楽しくて、時折何度も読み返していた。あの時送った手紙だって、まさか君に読んでもらえるなんて思っていなくて驚いたよ。今のペンネームはその時のものなんだが、覚えているかい?本当に懐かしいね。記録は残っていないかもしれないが、僕の記憶には残っているさ。
…と、僕から綴れる文は以上だ。君がこれを見てどう思い、どうするのか、僕はその全てを受け止めるよ。まだまだ贖罪はたくさん残っているだろうからね、僕はどんな仕打ちだって受けよう。